第17回ユネスコ創造都市ネットワーク年次総会(フランス/アンギャン・レ・バン)に参加しました
6月23日・24日にフランスのアンギャン・レ・バンで開催された「第17回ユネスコ創造都市ネットワーク年次総会」に、本市から市長、通訳、食文化創造都市推進室長の3名が参加しました。本市としては3回目の参加となった本総会について、報告します。
ユネスコ創造都市ネットワーク(以下、UCCN)とは?

ユネスコ(国際連合教育科学文化機関)が2004年に設立したネットワークで、世界各地の都市がクリエイティブ産業を通じて持続可能な都市発展を推進することを目的としています。このネットワークには、文学、映画、音楽、工芸、デザイン、メディアアート、食文化、建築の8つの創造的分野があり、加盟都市は、それぞれの文化資源を活用し、市民の生活の質を向上させるための新しいアイデアやプロジェクトを推進しています。これにより、地域経済の発展や観光の促進、さらには国際的な交流と連携が強化されます
UCCNの年次総会とは?
加盟都市の首長、担当者、ユネスコ関係者などが集い、加盟都市間の繋がり強化や、ネットワークのさらなる発展に向けた戦略議論を行うUCCNの活動の中でも最も重要なものの一つです。基本的に、加盟都市は毎年参加することが推奨されており、今年は約200の加盟都市から500名以上の参加者が集いました。今年は、「文化と人工知能:ユネスコ創造都市の未来を形作る」というテーマのもと、創造的で持続可能なまちづくりにどのように人工知能(AI)を活用していくかについて、活発な議論が交わされました。
総会プログラム
2日間で行われた様々なプログラムの内容の一部をご紹介します。
テーマ別セッション


「持続可能な都市開発の創造的な役割にAIを取り入れる」というテーマについて、さまざまな分野から自由な意見交換が行われました。また加盟都市がAIを活用して文化の革新を図ったり、より多くの人々を取り込んだりすることで、持続可能な都市への変革を支援している様子が紹介されました。基調講演ではAIという強力な道具を有効に活用していくためのルール作りや政策形成において、このネットワークが先駆的に取組んでいく必要性などについて語られました。
市長フォーラム

創造都市の首長・副市長のみが参加できる市長フォーラムでは、AIを地域レベルから世界レベルまでの文化体系に組み込むための考察やビジョンを共有しました。AIという新たなテクノロジーを活用することで、文化のすそ野を拡げ、社会の結束や国際的な連携を強化することが各都市の共通の責任として強調されました。
都市間交流イベント


本ネットワークが誕生して既に20年が経過しており、複数の創造都市による共同の取組も数々生まれています。このイベントでは、こうした都市間連携による取組の事例紹介ブースが設けられ、参加都市はこれまでの活動や新たな連携の可能性について自由に意見を交換しました。臼杵市も食文化だけではない新たな交流のヒントをいくつか見つけることができました。
総会に参加して
臼杵市長 西岡 隆
今回はじめて本総会に出席して、国内外のさまざまな創造都市の市長・代表者と直接交流する貴重な機会を得ることができました。世界各国の創造都市はそれぞれ独自の文化に誇りを持つとともに、ネットワークの活動を通じてさらに自都市の価値を高めようという強い意欲を持っており、そういった方々と話をする中で、まちづくりに関するたくさんの刺激やヒントをいただきました。また、臼杵市の取組にも多くの関心を寄せていただき、中でも昨年開催した「うすき食文化祭2024」で招待した都市の方々から、臼杵市に対する高い評価の言葉をいただいたことは大変嬉しいことでした。今回の総会を通じて得られた多くの出会いを大切にし、さらに臼杵市の価値を高めていきたいと思います。
産業観光課 食文化創造都市推進室 山本 達二
ユネスコ創造都市ネットワークに加盟する全8分野の都市が集結するという貴重な場に参加し、世界の文化潮流を肌で感じるとともに、臼杵市の名を世界中に売り込んできました。今回特に感じたことは、「食」という分野は異文化間で交流を図る中で、とても取り組みやすい分野であるということです。例えば、文学分野の加盟都市はヨーロッパなどのアルファベットを用いる言語圏の加盟都市が多いのですが、食文化分野は世界中のあらゆる地域に加盟都市が散在しています。どんな土地の食べ物でも、口に入れれば味覚で感じることができます。臼杵には澄んだ水と空気、美しい森林、豊かな海と土壌があり、それらを活かしながら育んできた食文化は世界に誇れるものです。これからも食文化に限らず臼杵の持つ様々な魅力をストーリーとして発信していくことで、多くの方にその価値を知ってもらえるよう取組んでいきます。