山形県鶴岡市の料理人の視察研修を受け入れました!
2月18日から20日までの三日間、国内のもう一つのユネスコ食文化創造都市である山形県鶴岡市から、若手料理人、在来作物の生産者、郷土料理の指南役が本市へ視察研修に来られました。これは、鶴岡市の食を内外にアピールできる次世代のリーダーを輩出するために行っている若手料理人を対象とした大会「次世代ガストロノミーコンペティション(※)」の入賞者が勝ち取った副賞として行われたもので、同市料理人等の機運向上や、両市の料理人や生産者同士の交流促進などを目的として実施されました。
今回は、主に臼杵市の有機農業の取組や郷土料理、ふぐ料理などをテーマとして、市内各所の見学や料理人交流会などにより、臼杵の食文化を体感していただきました。
(※)次世代ガストロノミーコンペティション
ユネスコ食文化創造都市・鶴岡の食を内外にアピールできる次世代のリーダーを輩出するため、2019年から隔年で開催している若手料理人の大会。第3回目となった2023年は「郷土料理の再構築」「在来作物の可能性の探求」をテーマに、料理人が郷土料理の指南役や在来作物の生産者とチームを組んでエントリーする形式で実施されました。それぞれが次世代につなぎたい鶴岡の食材・食文化を一皿に表現し、国内トップシェフらの審査を経て受賞者が決まりました。グランプリに輝いたのは、郷土料理の芋ごぼたもちをベースに歴史と文化を表現した佐藤渚さん。準グランプリには、在来作物のカラトリイモを新たな発想で料理に落とし込んだ齋藤翔太さん、特別審査員賞には郷土料理の鮫のぬた和えを再構築した水口拓哉さんが選ばれました。
※詳細はコチラ(鶴岡食文化創造都市推進協議会のWEBページへ遷移します)
視察の様子
有機農業関連
臼杵市土づくりセンターにて「うすき夢堆肥」の製造現場を見学してもらい、本市の有機農業の礎となるシステムを紹介しました。その他にも、ほんまもん農産物の生産者や八百屋さんにお話を伺い、農産物の生産現場や流通のことについても知っていただきました。
(ご協力いただいた事業者等:yomoyamaya、関青果)
ふぐ料理関連
臼杵市のふぐ料理屋さんを支える卸業者の見学に始まり、そこで捌かれたものを実際に料理屋さんに運び、刺身などになる調理過程の見学を通じた技術のレクチャーなど、美味しく新鮮なふぐがお客様の口に運ばれるまでの一連の流れを学んでいただきました。
(ご協力いただいた事業者等:木梨ふぐ、料亭 喜楽庵)
郷土料理関連(両市料理人交流)
両都市ともに歴史ある郷土料理が残っていることから、料理人同士の交流も兼ねた郷土料理の調理実演を実施しました。臼杵市は「黄飯」「かやく」「きらすまめし」を、鶴岡市は「孟宗汁」「あさつきの酢味噌和え」「弁慶飯」「岩海苔おにぎり」をそれぞれ互いに歴史や作り方を伝えながら、みんなで一緒に調理し、料理人同士の交流を深めることができました。
(ご協力いただいた事業者等:料亭山田屋、ポルト蔵、光)
視察を終えて
今回の視察研修を終えた感想を、コンペティションのグランプリを受賞した佐藤渚さん(㈱エルサン)からいただきました。本市としても、今回の交流を契機として、より一層鶴岡市とのつながりを深めることで、切磋琢磨しながら両市の更なる発展を目指します。
今回、臼杵市に伺ってみて、古くから続く発酵・醸造文化を大切にしていたり、土づくりからこだわる有機農業により生産された農産物が市内に流通していたりと、地産地消がうまく機能しているように感じました。また、特に学校給食に有機農産物を積極的に使用する取組は、未来への投資につながっている素晴らしいものだと思いました。両市の料理人で互いの郷土料理を作った交流会では、臼杵の食文化を身をもって学ぶことができたほか、新たな発見もあるなど、とてもいい経験となりました。
3日間臼杵市の食文化について色々と学び、また交流する中で、今後、自分たちはどのようにして鶴岡の食文化を未来へつなげていくべきか、そして魅力を発信していけるか、ということについて深く考えることができました。例えば、郷土料理のような歴史ある大切な食文化を守るために、我々料理人が率先して鶴岡の食文化をPRするなど、できることから取り組んでいこうと思います。また、臼杵市の方に鶴岡のことを説明しようとした際に、自分が鶴岡市のことを知ってるようで知らないということを思い知らされました。鶴岡市の料理人である以上、郷土料理など鶴岡市の食文化のことはしっかり学び、先輩料理人の皆さんやお客様、地域の皆さんと交流し、そして技術を磨き続けることで、お客様や地域の方々に食を通じた恩返しをしていきたいです。